さくらのソーシャルワーク日記

社会福祉士さくらが思ったこと感じたこと

AIによる物語分析とマンガ化(事業構想)

前提(驚くべきAIの進化)

今、AIの技術は私の想像をはるかに超えるレベルで進化している。


その一例に過ぎないのだろうが、「デープフェイク」と呼ばれる、AIを駆使して本物ソックリの映像や音声、文章を作成してしまう技術には驚く。


今では顔写真一枚あれば、その人物が話している様子を生成できるという。


こうした技術を悪用するということで、AIの悪い側面としてディープフェイクが世に出回っているということだろうが、それだけ技術的なハードルも下がってきているし、またSNSを使って簡単に拡散できるということで、今は大きな問題にまで発展している。


この技術の進歩は常にいたちごっこだ。

それを悪用する人が現れる、そして(当然)それを防ごうとする人が現れる。ディープフェイクもまた、ウイルスやハッカーと同じように、いたちごっこを繰り返していく。

 

ソーシャルワークにAIを導入する(「自分の物語」をAIが作成してくれるとしたら)


いたちごっこによって、ますますテクノロジーが進歩するというのであれば、なんとも大いなる矛盾を感じるが、さて、話はソーシャルワークのことである。


これからの福祉、そしてソーシャルワークには、AIをはじめとするテクノロジーを活用しないという選択肢はないだろう。しかし、どう活用できるのか。


例えば、「自分の物語」をAIが作成してくれるとしたらどうだろう。


医療や福祉の世界で「ストーリー」は今こそ求められているのではないかと思う。


世界が激変していく中、大きな波が世界を押し流しそうになるが、そこには、言うまでもなく、一人一人の人生、すなわちストーリーがある。


ストーリーに寄り添うことができるかどうかが、これからの医療、福祉、そしてソーシャルワークにとって、いかに重要なことか、改めて認識させられる。


そのくらい、コロナによって、私たちの生活は様変わりしてしまったように思う。
人一人のストーリーなどどうでも良いと言わんばかりの破壊力。
だからこそ、今、ストーリーを大切にしなければならない。

 

かけがえのないストーリーを引き出すために


誰しも、かけがえのないストーリーを持っている。
しかし、それを口にすることはなかなかないだろう。
よほど親しい人であれば別だが、そのストーリーが辛ければ辛いほど、人の口は固くなるようにも思う。


そして、ソーシャルワークの世界で、クライアントそして家族からストーリーを引き出すことは容易ではない。


インテーク、アセスメントにおいてニーズの把握が大事だと声高に言ったところで、精神論では解決しない。
単にラポールを形成するという単純なものではない。
様々な相談支援の技術をもってしても、困難を極める。


そう、ここで技術力の差が出てくる。
AIを使って、この技術力をできる限り解消することが一つの目標になるだろう。


クライアントとの面談から得られる(もしかしたら面談すら難しいという状況も想定される)限られた情報から、AIを使って考えうるストーリーを導き出す。
もしかしたら、これこそが「ディープフェイク」なのかもしれないし、もしかしたら、そこにクライアント本人も気付かない「ディープリアル」があるかもしれない。


そのストーリーをクライアント、家族が共有し、肯定や否定を繰り返しながら、クライアントと家族が望んでいた「真のストーリー」を導き出していく。


それこそがソーシャルワーカーが求めている「ニーズ」なのではないか。

これが実現すれば、ソーシャルワークのアプローチにイノベーションが起きる、そのくらいインパクトのある出来事になるだろう。


これは現時点では完全な妄想かもしれないが、フィクションというには技術の進歩があまりにも早いように思う。


きっと、近い将来、こうしたシステムのベータ版が登場するように思うし、そうなるよう期待したい。

 

ストーリーのマンガ化。そして社会との共有


そして、さらなる妄想だが、AIがこのストーリーをマンガ化してくれないかとも思う。
文章を書くAIが登場したのであれば、マンガを書くAIも登場するのではないか。


もちろん漫画家に代替し得るものからは程遠いかもしれないが、前述した、ストーリーを共有するというレベルでは、むしろ抽象的な映像化の方が、「自分の物語をいかに投影できるか」という観点からはむしろ適切なのかもしれない。

自分の物語を抽象的な映像化に向けて投影し、そこから、クライアントのリアルな自分物語をよりリアルに引き出していく。

こうして考えると、ストーリーを抽象的な(ここが難しい)マンガ化するという発想自体はとても興味深いものではないだろうか。

 

おそらく映像化することによって、クライエントや家族とのストーリーの共有だけにとどまらず、支援者側のチーム、さらには、社会と共有することも可能になるのではないだろうか。

クライアントの唯一無二のストーリーを社会と共有することができれば、課題を社会の構成員と共有する際のインパクトは図りしれないように思う。それは、福祉の世界にとっての大きなインパクトを意味する。


AIによるストーリーの作成、マンガ化による社会との共有は、大いなる夢想を含めているが、大いに期待することとして今回は終わりにする。