#1 申請主義の課題を解決するための処方箋 その1 〜申請主義の課題は自己決定における権利侵害だ〜
前回、申請主義の否定や批判は福祉の否定や批判だと述べた。
この意図するところは、自己決定だ。
理由は明快である。
私は、ソーシャルワーカー、少なくとも社会福祉士は、本人の自己決定を尊重し、支援する立場だと信じているからだ。
そして自己決定こそが福祉だと信じているからだ。
申請という行為は本人の意思表示だ。
したがって、申請主義の課題は、すなわち自己決定の課題であり、イコール福祉の課題であると考える。
もし、何かしらの事情で申請ができないということがあれば、すなわち自己決定に支障が生じているということがあれば、それは即刻改善されなければならない。
これは申請主義を否定、あるいは批判するものではない。
申請主義によって生じている課題を指摘するものである。
改善されるべきは申請主義ではなく、申請主義によって生じている課題である。
これは繰り返し伝えたい。
なぜか?
福祉を否定することがあってはならないからだ。
そして、これは言葉の問題ではなく、ましてや感情的なものでもない。
論理から導き出される必然である。
さて、自己決定とは、福祉そのものであり、言うまでもなく、人としての正当な権利の行使だ。
したがって、自己決定に当たって生じる支障は、権利の侵害であると言える。
これを改善することこそが、社会福祉士としての役割であり、その延長線上にソーシャルアクションがあるだろう。
なお、ソーシャルアクションとソーシャルワーカー、さらには社会福祉士との関係者については、別の機会に述べたい。
次回は、自己決定における権利侵害のさまざまな態様をどう整理していくべきか考えたい。
#2 申請主義の課題を解決するための処方箋 その2 〜特定分野の議論のみで申請主義を否定してはいけない〜 - さくらのソーシャルワーク日記