ソーシャルワーカーはマイクロジャーナリズムの当事者になれるか【読後抽象化#8】
読んだ本:日本のコミュニティー放送(晃洋書房)
■ファクト
・マッキーヴァーのコミュニティー
・1992年の放送法施行規則改正→超短波放送
・コミュニティー放送に求められる基幹性
→公共性、公共的性格
→責任だけ議論され、放送局のあり方まで及んでいない
・コミュニティー放送とジャーナリズム
→ジャーナリズムと関係ないと考える人が多い
→大手メディアが避けているテーマを比較的積極的に取り上げている
⇒地域メディアならではのジャーナリズム(e.g.震災犠牲者の名前を延々と読み上げる)
・資金調達
→広告収入の減少→行政の関与→特別交付税の対象
→クラウドファンディング
・素人さ
→遊びたい
・ソーシャルワーク機能を果たす
→住民で考える機会づくり、協働
→人とまちをつなぐ
■抽象化
・コミュニティー放送はマッキーヴァーのいうコミュニティーにおいて重要なファクターの一つになりうる
・公共的性格からやって当然という意識が背景にある
↓しかし
・そのあり方が議論されておらず役割だけが押しつけられる形に
・地域におけるコミュニティー放送の必要性は?
・財源独立性の問題
→ジャーナリズムとの対立
→スポンサーや地域政府の批判難しい
■転用
・コミュニティー放送はマイクロメディアとして地域住民によって支えられるべき存在
・財源は地域において負担されるべきもの
・双方向性、住民のオーナーシップ
・特定のジャーナリズムではなく協働によるジャーナリズム
→ソーシャルワークジャーナリズム
⇒地域ファシリテーターとしてのコミュニティー放送
ソーシャルワーカーは社会福祉を平易に説明できるか【読後抽象化#7】
読んだ本:社会福祉の理論と運営(筒井書房)
■ファクト
・社会福祉の存在意義
・社会福祉とは独自固有の領域
・社会福祉のL字型構造
・社会政策
∟社会施策
∟社会福祉
∟社会的施策
∟バルネラブル
∟生活支援と社会的施策
∟独自固有のアプローチ
・運の平等主義
・フーコーとケアの理論
・ニード、ニーズ
・情報の非対称性
→言葉、表現があいまい
→サービス供給主体の判断で誤情報が意図的に発信される
⇒情報を通じた不利益
・ニューカマー、外国人
■抽象化
・ソーシャルワークの教育は手段(e.g.ケースの解決)に焦点を当てていないか
↓なぜそう思うのか
・ゴールをどう設定するかで手段は変わってくる
→医療であれば治療
→福祉の場合は?
⇒そこが福祉関係者のコモンセンスとして確立されるかが課題
■転用
・ここが違和感の正体
→もっと掘り下げるべきことを掘り下げきれていない
⇒福祉のゴール設定を福祉関係者のコモンセンスとして確立する
ソーシャルワーカーは問いから始めよ【読後抽象化#6】
読んだ本:問いからはじめる社会福祉学(有斐閣ストディア)
■ファクト
・他者に対して開放的にも抑圧的にもなりうる。
↓したがって、
・ソーシャルワークの脆弱性に関する認識と理解が大きな役目を果たす
→社会的に少数派の人々、他者(自分の思い通りにならない存在)+他者の尊重
・目的が生命、生活の維持、存続、向上を左右する重要な事柄であれば、
↓
その追求条件(能力、資源、機会、環境)を欠くことは、
↓
不利
・福祉事務所のソーシャルワーカー自身が市民の不信を生み出している現実
・利用契約制度←→措置=行政処分・決定=行政の権限(受給権者に利用や契約の権限なし)
・目指すべき方向は縁側
■抽象化
・福祉を一般市民から解放した
・コミュニケーションとはいかに伝わっていないかの自覚が全ての始まり
→doubringの考えと、認識という点で似ている
・単に福祉事務所の職員を批判しただけでは解決しない重い問題
・パターナリズムにつながる問題。非対称性、対等ではない
・シェアやciftも似た考えか?
→成熟した人を求めるという点で違う
■転用
・市民がソーシャルワークの脆弱性を認識し、社会福祉を身近なものとして縁側社会を目指していくためにはどうすべきか考えていく
フィンランドの社会福祉改革の背景には課題克服の必要性があった【読後抽象化#5】
読んだ本:フィンランド福祉国家の形成(木鐸社)
■ファクト
・サービス基盤の整備
→地方分権へ
・税制度、保険制度
・北欧諸国では女性の労働参加が進んでいる
→大多数の女性が被保険者
・アルマス・ニエミネン
→社会政策はドイツ、北欧で発達した科学
・1990年代のフィンランドの経済的打撃が群を抜いて深刻
・北欧型福祉と特徴づけるものは何か
■抽象化
・日本とは地方分権や女性の社会参加の点で大きく違う
・国として社会福祉の改革が進んだ背景に課題克服の必要性と科学的アプローチがあった
■転用
・日本においても、現状の課題を多くの人で共有し発信することで、フィンランド型の社会変革を生み出すことができるのではないか
→#型の情報発信や課題の共有・言語化を1つでもやる
ソーシャルワーカーは分野ごとに集積された事例を活かせるか【読後抽象化#4】
読んだ本:ソーシャルワーク(弘文堂)
■ファクト
・グローバル定義、ソーシャルワークの歴史、リッチモンド、診断主義
→教科書のよう
・基礎理論、ジェネラリストソーシャルワーク、対象をシステムとして一体的に捉えた方法論
→地域を基盤としたソーシャルワーク
・クライエントにサービスや制度が合わせていく
・インスフォーマルサポートが積極的に参画
→理念
・広範なニーズへの対応
・本人の解決能力の向上
・連携と協働
・個と地域の一体的支援
・予防的支援
・支援困難事例への対応
・権利擁護活動
・ソーシャルアクション
→8つの機能
■抽象化
・分野ごとに事例は集約されている
・これを生かせているか
→ここにAIが介入する余地あり
■転用
・横軸、予防←→治療
・縦軸、自覚、パターナリズム(深い介入)↑↓無自覚、見守り(浅い介入)
→予防段階で介入(第1のアウトリーチ)
→発症後、無自覚への介入(第2のアウトリーチ)
常識の逆を言語化する。これあり得る
常識の逆を言語化する。
→これあり得る。高い専門性、ハードスキル、クールビューティー、内に秘めた熱いハート。
・経験がないのに頼れるソーシャルワーカー
→これあり得る。データ、SNSで人脈づくり、ネットワーク、AI、テック、DX、科学的手法と親和性あり。
・お金を取らないソーシャルワーカー
→これあり得る。無料FPのモデルが参考になりそう。相談自体から報酬を発生させるのではなく、どこかでEXITさせる。
・やる気がないソーシャルワーカー
・熱意のないソーシャルワーカー
→これもあり得る。信頼関係とバリューが出せれば良い。結果次第。ローコストソーシャルワーカーあり得る。
・面倒な案件が好きなソーシャルワーカー
→これは断然あり得る。困難案件自体でEXITを考えなければいい。
・地域で孤立しているソーシャルワーカー
→これも全然あり得る。ネットで全国と繋がればいい。
→ただ、地域で課題を解決する観点からは、対面での関係性がなかったとしても、ネットでの繋がりを地域でもつくりたい。
・専門性のないソーシャルワーカー
→これも全然あり得る。経験のないソーシャルワーカーと同じ。
・クライエントの話を聞かないソーシャルワーカー
・メモを取らないソーシャルワーカー
・5分しか話を聞かないソーシャルワーカー
→これもあり得る。クラブハウスのような音声チャットの仕組みやチャットなどでの相談の形もすでに始まっているだろう。
→視覚障害や聴覚障害、あるいは移動に支障がある人にとって、対面での相談しか選択肢がないのはむしろ問題。
⇒仮にインターフェイスがアナログだったとしても、バックグラウンドをデジタル化することで、今までのソーシャルワーカー像と全く変わってくる。
ソーシャルワーカーは福祉の空気になる
元NHKの小国志朗さんの言葉からの抽象化。
■なんだろう→実は→なるほど、が必要。
→ソーシャルワーカーに当てはめると、
ソーシャルワーカーは福祉(社会)の空気になる
↓つまり
目に見えないけど、とても大切
↓だから
もっと専門性の底上げが必要
■大切なのは一番最初の取材ノートのページ。
しばらくたって、この最初の疑問に答えられない。
だいぶ分かってきたぞというときが危ない。
自分にしか分からないこと。
ここを放棄してはいけない。
→ソーシャルワーカーにしか分からないストーリー、それを放棄しない。
⇒逆境の中で気高く生きている、障害者、高齢者、児童、傷ついた人、不安に思っている人、それを見守る家族。その人たちが幸せになれる社会でなければだめだ。