さくらのソーシャルワーク日記

社会福祉士さくらが思ったこと感じたこと

#1 市役所は申請主義の上にあぐらをかいているのか その1


申請主義とは 〜正しい定義こそが本質的な課題解決のためのスタートラインだ〜 - さくらのソーシャルワーク日記

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※本稿では、市役所を行政機関のうち主に地方自治体を代表するものとして使用していることにご留意いただきたい。

 


市役所に対する批判と申請主義


申請主義に関する議論の中で、市役所に対する批判は多い。

 

市役所は待っているだけ。制度があることを教えてくれない。

聞いても、教えてくれない。

窓口に行っても、申請させてもくれない。


信じられないようなことだが、これらは実際に起きていることだ。


そして、この原因が申請主義によるものだとしたら、それはとんでもないことだ。


申請主義とは何か


申請主義とは何か。

これについては、私の過去記事で、詳細に説明させていただいている。

端的に言えば、

「申請主義」とは「意思表示によって権利行使することを原則とする」

という意味である。


この意思表示は、通常、市役所などの行政機関に対して行われる。

ここが大変重要なポイントだ。


すなわち、市役所が申請主義において極めて重要な役割を担っているということを、まずしっかりと認識したい。


市役所の役割


市役所の役割については、言うまでもないかもしれないが、念のため確認しておきたい。


市役所の役割をごく単純化すれば、

 

  1. 市民生活に関わる様々な制度や手続きについて周知し、
  2. 市民から申請意思があれば、速やかに手続きを開始しなければならない


ということだ。


申請主義において、市役所の責任は極めて重要であり、しっかりとその役割を果たしてくれなければならない。


しかし、実際にはどうだろう。


前述したとおり、現実には、怠慢とも言える市役所の実態がある。

そして、この結果、市役所に対する不満が噴出しているのである。


申請主義において重要な役割を果たすべき市役所で、なぜ、このようなことが起きているのだろうか。


これは、いったいどういうことなのか?

次に、市役所の怠慢的な態度の根源が何か考えてみたい。


行政には自浄作用がない


この点について、私は次の記事の中で、

「行政(役所)の職員はなぜ不親切なのか?」

として、行政の問題点について論じている。

興味のある方はご覧いただきたい。(シリーズ継続中)

この中で私が述べていることを端的に言えば、

市役所には、自浄作用がない。

この一言に尽きる。

つまり、外圧がなければ、さまざまな問題が改善されにくい組織なのだ。


市役所は不親切だ


先の記事の中でも述べたが、市役所と関わりを持ったことのある人であれば、市役所の職員は不親切だと感じたことが一度はあるのではないか。


私自身、市役所の職員は不親切だと感じたことのある一人である。


愛想がない、上から目線、聞いたことしか答えない。

それでも、最終的に必要な手続きが済めばまだましだ。


人を変え、時間をかけて、何度も同じことを説明した挙句、ここでは手続きができないとか、必要な書類が不足しているとか、分かる職員がいないなどと言って、出直す羽目にでもなれば怒り心頭だろう。


ご説明は佳境にさしかかっているが、長くなったので、この続きは次の記事でご説明したい。


次記事

市役所が本来の役割を果たしていないことが申請主義の批判に繋がっている