さくらのソーシャルワーク日記

社会福祉士さくらが思ったこと感じたこと

独立型社会福祉士になるには 〜独立型社会福祉士はなぜ全国に450人しかいないのか〜

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社会福祉士として、組織に属さず、独立開業するにはどうしたらいいのか。
 
本稿では、独立型社会福祉士になるための具体的な要件、手続きについて整理したい。
 
そして、タイトルにあるとおり、独立型社会福祉士はなぜ全国に450人しかいないのかという点についても述べたい。
 

 

独立型社会福祉士名簿に登録する

 
日本社会福祉士協会の独立型社会福祉士名簿に登録することが必要と書いてあるものを見たことのある方もいるだろう。
 
例えば、こういう風に書いてある。

2つの条件を満たせば、社会福祉士事務所を立ち上げ、独立開業することが可能です。条件の1つは、社会福祉士国家資格を取得すること。もう1つは、日本社会福祉士会の名簿登録です。以下の7つの要件を満たせば、日本社会福祉士会の名簿登録をすることができます。

 

(出所)日本福祉教育専門学校
 
でも、どうも納得がいかないのではないか。
社会福祉士の国家資格の他に、名簿登録しなければ、独立開業できないのはおかしいと感じないか。
 

名簿に登録する9つのメリット

 
確かに、いきなり独立開業しても社会的信用度はゼロだし、社会福祉士資格を持っていても、業務経験がなければ独立開業も何もあったものではない。
 
したがって、独立型社会福祉士として活動しやすいように、一定の要件の下に、独立型社会福祉士名簿に登録することで、社会的な信用を高めようという趣旨であれば、理解できる。
 
実際、日本社会福祉士会のホームページで、独立型社会福祉士名簿登録のメリットとして、社会的信用の確保など、9つの項目が挙げられている。
 
独立型社会福祉士名簿に登録すれば、社会的信用を得ることができるとか、横のつながりができるというのは、その通りだと思う。
 
単なる社会福祉士よりも、日本社会福祉士会のホームページに名前が載るのだから、信用度も上がるだろう。
 
しかし、先の例のように、、独立開業の要件のように書かれてしまうと、私のように誤解する人もいるのではないか。
 

名簿登録のハードルの高さ

 
しかも、独立型社会福祉士名簿の登録は、とてもハードルが高い。
 

独立型社会福祉士は全国で450人

 
実際、独立型社会福祉士全国で450人しかいないのだから、驚きである。
 
要件を見ると、一番ハードルが高いと思われるのが、認定社会福祉士であることだ。
 

認定社会福祉士は全国で667人

 
認定社会福祉士、人数は、全国で667人しかいない。
 
主な認定要件として、実務経験5年が挙げられると思うが、それよりもハードルが高いと思うのが、研修だ。
 

最もハードルが高い要件がスーパービジョン研修

 
フロー図を見ると分かりやすいが、通常ルートでは、30単位の研修の受講が必要になるが、中でもハードルの高さを感じるのが、スーパービジョン研修だ。
 
スーパービジョンは研修の単位としては10単位必要とされているが、この単位取得の要件はなかなかハードルの高さを感じる。
 
日本社会福祉士会のホームページには以下のように書いてある。(抜粋)
・認定制度のスーパービジョンは、スーパービジョンを1年間に6回以上行うことを基準としています。
・認定制度の枠組みに従ったスーパービジョンを1年間に6回受けることでスーパービジョン実績2単位となります。5年間行うことで認定社会福祉士申請に必要な10単位になります。
 

まとめ

 
まとめると、独立型社会福祉士名簿に登録されるためには、認定社会福祉士の認定され、登録要件を満たす必要があるが、認定社会福祉士の認定要件が何よりも高いと感じる。
 
確かに、独立型社会福祉士名簿に登録されれば、日本社会福祉士会が言うように、社会的信用を得るなどのメリットは多くあると思う。
 
そのためには、やはり、まず認定社会福祉士の認定を受けようと思う人も多いかもしれない。
 
しかし、あまりのハードルの高さに、本当に認
社会福祉士、独立型社会福祉士に社会的な必要性があるのか、疑問に思う人もいるだろう。
 
実際、独立型社会福祉士は全国で450人、認定社会福祉士は667人である。この数は、あまりにも少ないと思う。
 
一定の質的担保は必要だ。
しかし、もっと認定社会福祉士や独立型社会福祉士を増やし、福祉のインフラとして、援助・支援が必要な人が気軽に社会福祉士と接点を持つことができるようにすべきではないだろうか。